パンくずリストとは?SEO効果やメリット、設置時の5つの注意点を解説

パンくずリストとは、ユーザーが今サイトのどこにいるのかを階層的に表したナビゲーション機能です。パンくずリストを設定することで、ユーザーがサイト内で迷わないように案内することができ、また、検索エンジンのクローラーに対して、サイト全体の構造を伝えやすくなります。ユーザーと検索エンジンの両方に役立つものと言えますね。

この記事では、そもそもパンくずリストとは何なのか、パンくずリストの意味やメリット、設置する際の注意点などを詳しく解説します。パンくずリストを正しく理解し活用することで、ユーザビリティが向上し、SEO対策にも効果を効果を発揮します。

パンくずリストとは

パンくずリストとは、サイトに訪れたユーザーが、現在どこの位置にいるのかを分かりやすくするためのナビゲーション機能のこと。いわば、サイトの道しるべのようなものになります。例えば「ホーム>SEO>SEOに強いタイトルの付け方とは」のように、階層的に表示されます。特に、情報量が多いサイトや階層構造が複雑なサイトで有効です。

パンくずリストの名前の由来

パンくずリストの名前の由来は、おとぎ話の『ヘンゼルとグレーテル』に由来します。この童話では、迷子にならないようにヘンゼルがパンくずを道しるべとしてまいていますね。このように、ウェブサイト上のパンくずリストもユーザーが迷子にならないように、現在のページまでの道筋を示します。

パンくずリストの正式名称

Google検索セントラルにもパンくずリストの解説があるため、「パンくずリスト」は正式名称となります。また、英語では「breadcrumbs list」と表記されているほか、「topic path(トピックパス)」などとも呼ばれています。

Google検索セントラル>ドキュメント>パンくずリスト(BreadcrumbList)の構造化データ

パンくずリストを設置するメリット

「パンくずリストはいらない?なくてもよい?」という声もありますが、Googleの公式サイトでもパンくずリストの設定を推奨しています。

構造化データを使ってパンくずリストをマークアップすることで、Googleなどの検索エンジンはページの構造をより正確に理解できます。これにより、リッチスニペットやその他の検索結果の表示形式が強化され、クリック率の向上も期待できます。

クローラビリティの改善

クローラーは、ウェブページのデータを収集し、検索インデックスに追加します。このときに役立つのがパンくずリストです。適切にパンくずリストを設置することで、クローラーがサイトの各ページの階層構造を理解しやすくなり、より効率的にクロールできるようになります。また、パンくずリストは内部リンクの一部として検索エンジンに評価されるため、SEO対策としても有効です。

ユーザビリティの向上

パンくずリストでサイト内の現在地を視覚的に示すことで、ユーザーは自分がどこにいるのかを簡単に把握できます。

例えば、旅行サイトで休日にどこへ行こうか温泉地やお出かけスポットを探していたとします。その際に「関西>兵庫県>温泉地>城崎温泉」というパンくずリストがあれば、城崎温泉以外の兵庫県の温泉地を知りたい場合に、1つ上の階層に戻ると温泉地情報のページが表示されます。

また、「関西>兵庫県>子連れスポット>公園」というパンくずリストの場合、公園以外の子連れスポットの選択肢が欲しいときに、1つ上の階層に戻ると、ほかの子連れにおすすめのスポットを確認できます。

このようにパンくずリストは、有効なナビゲーション手段として機能し、ユーザーにとって快適な閲覧体験を提供します。また、サイト内でのユーザーの迷子を防ぐことで直帰率の低減にも繋がり、サイト全体の滞在時間を改善することにもつながります。

パンくずリストの種類

パンくずリストは主に3つの種類があります。それぞれ特定の状況や目的に合わせて使うとよいでしょう。

位置型パンくずリスト

位置型パンくずリストは、トップページから現在のページまでの経路を階層で示します。例えば、「ホーム > カテゴリ > サブカテゴリ > 商品ページ」というように、ユーザーがサイトのどの部分にいるかを明確にします。特にECサイトや情報量が多いサイトにおいてユーザーの迷子を防ぐために有効で、最も一般的採用されることが多いです。

属性型パンくずリスト

属性型パンくずリストは、ユーザーが現在見ているページの属性や種類に基づいています。たとえば、レシピサイトでパスタを見ている場合、「料理 > イタリアン > パスタ」と表示されるユーザーもいれば、「料理 > 和風 > パスタ」と表示されるユーザーがいます。つまり、検索方法が複数あるときに、検索フィルターのような役割を果たしているのです。

このパンくずリストの利点は、ユーザーが自分の位置を理解しやすくなるため、サイト内のナビゲーションが直感的に行えることです。

パス型パンくずリスト

パス型パンくずリストは、ユーザーが現在閲覧しているページへ到達するまでの閲覧履歴に基づいています。自身が辿ってきたルートを確認できるため、必要に応じて前の段階に戻れるメリットがありますが、ブラウザの「戻る」ボタンと同じような機能のため、現在ではあまり注目されていません。パンくずリスト本来の役割を果たさない可能性もあります。

パンくずリスト設置時の5つの注意点

ここからは、パンくずリストを設置する際に、注意したい5つのポイントを紹介します。

階層構造を明確にする

パンくずリストを有効に活用するためには、サイトの階層構造を明確にすることが求められます。記事数が増えるほど、サイトの構造を変更するのに手間がかかるため、まずはトップページから各サブページへと降りる一貫したパスを作成することが大切です。具体的な手順は以下です。

1.記事のカテゴリやジャンルを整理する

2.整理した記事をどのようにカテゴライズするのが適切か、階層の分け方を考える

3.その階層に含まれないページや、紐づくページが少ないものがないか確認する

パンくずリストはいくつも設定できてしまいます。そのため、階層を深くしすぎると、紐づいているページが少ないものが増えてしまうため、なるべくシンプルでわかりやすい構造になるようカテゴリやサブカテゴリを適切に分類しましょう。

関連性を意識

ユーザーにとって自然で理解しやすいナビゲーションをつくるためには、階層の繋がりや関連性を意識する必要があります。例えば、ミキサーを紹介したい場合に、「ホーム > 家電 > キッチン家電 > ミキサー」と、 家電の階層にキッチン家電を置くことで、階層の繋がりが分かります。

また、関連性を意識することで、SEO対策にも役立ちます。クローラーはパンくずリストを辿ってサイトの構造を理解します。関連性を持たせた配置にすることにより、検索エンジンが各ページの内容を正確に評価する手助けとなります。

アンカーテキストのキーワード含有

パンくずリストは内部リンクになるのでアンカーテキストにキーワードを含めましょう。過度なキーワードの詰め込みすぎは避けたいですが、やはりSEO対策をしたいキーワードを入れることで、そのキーワードで表示される可能性が広がります。自然な形でキーワードを含めること意識することで、ユーザーの使いやすさとSEO対策のバランスを保つことができます。

全ページに設置する

特別な理由がない限り、パンくずリストは、全ページに設置しましょう。唯一、階層移動が不要なトップページについては例外です。

ユーザーはあらゆるキーワードで検索し、サイトのどのページからも流入する可能性があります。そのため、どこからアクセスがあっても、パンくずリストが一貫して表示されていることで、迷わずにナビゲートできます。

スマートフォン表示対応

モバイルユーザーが圧倒的に多い現代において、レスポンシブデザインは欠かせません。特に、スマホはPCに比べて画面が小さく、横幅が狭いので、スマホとPCで文章の改行位置や表示方式を変更する必要があります。

まずは、階層を分かりやすくし、指でのタッチ操作がしやすいデザインを採用することが望ましいです。さらに、テキストサイズや間隔を適切に調整することで、見やすさを確保します。ユーザーが直感的にサイト内の位置関係を把握できるような構造にすることで利便性を向上させ、サイトの評価にもつながります。

パンくずリストの設置位置

一般的に、パンくずリストはページの上部、特にヘッダーの直下に配置されることが多いです。ページの上部に設置することで、そのページにアクセスしたユーザーが視覚的に認識でき、ページ全体のナビゲーションがスムーズになります。

ただし、必ずしもページの上部に設置しなければならないという決まりはありません。例えば、サイトやジャンルによって、パンくずリストがユーザーにとってそこまで必要ない場合や、スマホでの見え方が悪くなってしまうことがあります。

検索エンジンにサイトの構造を伝えるためだけに設置したいのであれば、ページの下部に置くことを検討してもよいでしょう。

パンくずリストでサイトの構造を伝えよう

これまで述べたように、パンくずリストを設置することはユーザーの利便性と検索エンジンの理解を促すことにつながります。クローラーが階層構造を理解しやすくなることで、間接的にサイトの評価や信頼性の向上を高められるため、SEO対策としても有効です。ぜひ、自身が運営しているサイトのパンくずリストの見直しを検討してみてください。

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