ロングテールキーワードとは?SEOを意識した選定方法やツールも紹介

ロングテールキーワードとは、複数語の組み合わせからなるキーワードのこと。競争が激しいビッグキーワードでは上位表示を狙うのが難しいですが、特定の検索意図に基づいた複合的なキーワードであれば、競争が少なく、ニッチなターゲット層に効果的にリーチすることが可能です。

この記事では、ロングテールキーワードの意味やロングテールSEOのメリット・デメリットから、具体的な例を交えながらキーワードの選定方法や役立つツールなどを紹介します。

ロングテールキーワードとは

ロングテールキーワードとは、検索エンジンで使用される特定のフレーズや語句で、通常3語以上から成る、より具体的で詳細なキーワードのことを指します。検索ボリュームは少ないものの、特定のニーズを持つユーザーに向けた情報を発信するため、より質の高いトラフィックを集めることができます。

ビッグキーワードやミドルキーワードとの違い

ビッグキーワードミドルキーワード ロングテールキーワード
一般的で広範なキーワード中程度の具体性を持つキーワードより具体的で詳細なキーワード
主に1語で構成 主に2語で構成3語以上で構成

「ダイエット」 

「ダイエット 食事」
「ダイエット 筋トレ」

「ダイエット 食事 朝食」
「ダイエット 筋トレ 女性 時間」

  

ロングテールキーワードのメリット

ロングテールキーワードには具体的に、どのようなメリットがあるのでしょうか?

競争が少なく上位表示を狙いやすい

ビッグキーワードは検索ボリュームが多いため、上位に表示された場合のインパクトが非常に大きいです。しかしその反面、競合が多く、上位表示を狙うのが難しい傾向にあります。また、リスティング広告の出稿も多いため、検索結果ページの上部が広告を占める割合も高くなります。

ビッグキーワードは大企業や著名なサイトに有利であることが多いですが、ニッチなロングテールキーワードなら競争が緩和され、広告の影響を受けにくい傾向にあります。

上位表示難易度が高いビッグキーワードを1つ対策するよりも、難易度が低いロングテールキーワードを複数対策するほうが、多くのキーワードを上位表示させることができ、結果的に流入の増加を狙えます。

検索ニーズが明確でコンバージョン率が高い

ロングテールキーワードの場合、ユーザーの検索意図や動機が明確なことが多いため、具体的な検索意図に即したコンテンツを準備しやすくなります。

例えば、「ロングテールキーワード」と検索するユーザーの検索意図は漠然としているため、具体的に何を知りたいのかがわからず、コンテンツが広がりやすくなります。しかし、「ロングテールキーワード 調べ方 ツール」と検索するユーザーは、具体的なツールや考え方を知りたいという明確なニーズがあることがわかります。

検索意図に沿った記事を提供することで、ユーザーが自分のニーズにぴったり合った情報を見つけ、製品やサービスの購入、問い合わせなどのアクションにつながりやすくなり、結果としてコンバージョンに繋がります。

検索意図に沿った記事を書ける

ユーザーが特定のキーワードで検索を行う際、その背後には何らかの具体的な期待やニーズがあります。この検索意図に特化した記事を執筆することで、ユーザーは自分が求める情報を簡単に見つけることができ、記事に滞在する時間が長くなります。これにより、検索エンジンはそのコンテンツをユーザーの要望を満たすものと評価し、上位表示されやすくなるのです。上位表示が増えるほど、自社サイトの評価も向上します。

さらに、ロングテールキーワードは、ライティングの方向性がブレにくいというメリットもあります。それにより、効率的に質の高いコンテンツを量産することができます。

内部リンクによるサイトの回遊率アップを狙える

ロングテールキーワードは、ユーザーの具体的なニーズに対応したコンテンツとなっているため、関連する記事を内部リンクで結びつけることで、サイト内の回遊率が上がり、結果としてサイトの滞在時間を増やすことができます。

特定のキーワードで上位表示を狙うだけでなく、関連性の高い複数のトピックをカバーすることで、ユーザーが興味を持つ他のページへのアクセスも促進され、サイトの滞在時間や閲覧ページ数を増やすことにつながるのです。

また、検索エンジンのクローラーも内部リンクをたどることでサイト全体をより深く理解できるようになります。ロングテールキーワードの記事を量産するためには、徹底した内部リンクの設計が鍵となります。

ロングテールキーワードのデメリット

ロングテールキーワードを狙った記事には、デメリットも存在します。メリットだけでなく、デメリットも把握してキーワード選定を行いましょう。

コンテンツが重複しやすい

ロングテールキーワードで記事を作成する際、テーマが似通う複数のキーワードを無計画に使いすぎると、コンテンツの重複が発生します。これにより、各記事が持つSEOの評価が分散され、一つ一つの評価が弱まる恐れがあります。また、Googleのクローラーもそれらの記事を重複と判断し、適切な評価を得にくくなります。

また、自社サイトだけでなく、検索数が少ないキーワードは競合サイトと内容が類似する可能性があり、それも重複コンテンツと判断される可能性があります。これを避けるためには、キーワードの分析と設計をはじめから計画することが重要です。

成果に時間がかかる

ロングテールキーワードは、検索ボリュームが比較的少ないため、ひとつの記事のアクセスがそう多くありません。少ないトラフィックを積み重ねていく戦略であり、各記事を検索上位にあげる必要があるため、時間がかかることがあります。

また、特定のニーズに基づいているため、ユーザーの関心やトレンドによって影響を受けやすくなります。さらに、新たなトレンドが生まれると、以前に設定したキーワードの効果が減少することがあります。

ロングテールキーワードの選定方法

ここからは、ロングテールキーワードの具体的な選定方法を解説します。

(1)メインとなるビッグキーワードを設定する

まずは、自サイトで獲得したいメインとなるビッグキーワードを設定しましょう。

選定にあたり、自社のビジネスや提供するサービスが最も関係するキーワードやジャンルを選定します。競合が多い場合は、同じテーマでよく検索されているワードの中で、少し異なる言葉やフレーズを検討することも有効です。

(2)ユーザーの検索意図を把握する

ロングテールキーワードは、ユーザーが具体的なニーズを持っているため、どんな情報を収集したいのか、なにを解決したいのか、探したい商品などの目的が明確であることが多い検索ワードです。そのため、ビッグキーワードに対し、そのニーズや課題の深堀りをしましょう。ペルソナを設定すると、より細かくイメージすることができます。

(3)関連キーワードを洗い出す

検索意図をイメージできたら、具体的なキーワードを探していきます。例えば、ビッグキーワードを「ダイエット」としたときに、「ダイエット 食事 朝食」 「ダイエット 筋トレ 女性」「ダイエット ジム 筋トレメニュー」などです。詳細なニーズをできるだけたくさん洗い出しましょう。

(4)検索ボリュームを確認する

候補の関連キーワードが出し終わったら、それらの検索ボリュームを確認します。

検索ボリュームはキーワードを決定する上での優先順位付けの判断基準のひとつとなります。検索ボリュームが多すぎると競争が激化し上位表示が難しくなる一方、少なすぎると検索される機会が少ないため、一定の流入を期待しにくくなります。

ですが、「検索ボリュームが少ない=流入0」という訳ではありません。少ない場合でも、候補のキーワードと似たような単語やニーズで検索がある場合には、検索され、流入する可能性があるため、検索ボリュームが少ないだけで候補から除外するのは得策ではありません。

また、シーズナリティやトレンドも考慮しましょう。特定の時期や流行に依存するキーワードは、その期間に検索数が急増することがあります。候補のキーワードが一時的なものであるのか、長期的な需要が見込めるのか確認しましょう。

(5)キーワードをマッピングする

続いて、メインとなるビッグキーワードを中心に関連キーワードを階層的に整理します。キーワードの検索意図やボリュームを考慮し、各キーワード群をまとめていきます。ニーズが近いキーワードや似たようなキーワードの検索結果が同じであれば、1つの対策ページにまとめます。いわば、どのキーワードをどのページで対策するか、設計図のようなものを作成します。

この作業を行うことで、クエリのカニばりを防ぐほか、関連性の高いコンテンツ同士を内部リンクでつなげることで回遊率を高め、サイト全体のSEO対策にもつながります。

(6)テーマを満たす記事を作成する

キーワードが決まったら、そのテーマに沿って記事を作成していきます。細分化されたロングテールキーワードだからこそ、ユーザーの検索意図を正確に把握し、その期待に応える具体的な内容を提供することを意識しましょう。

ロングテールキーワードの調査に役立つツール

最後に、ロングテールキーワードの調査に役立つおすすめのツールを紹介します。

Googleキーワードプランナー

Googleキーワードプランナー

Googleキーワードプランナーは、各キーワードに対して検索ボリュームを確認し、関連するキーワードを効果的に見つけるための有力なツールです。Googleの公式ツールなので、信ぴょう性が高いこともあり、ニッチなキーワードの探索や、コンバージョンに繋がる可能性のあるキーワードを特定するのに役立ちます。また、広告キャンペーンの設計にも活用でき、予算やクリック単価を見積もることができるため、費用対効果の高いSEO対策が可能です。

Google サーチコンソール

Google Search Console

Googleサーチコンソールは、ウェブサイトのパフォーマンスを分析し、最適化するための無料ツールです。実際に検索されたキーワードやその順位、クリック数を把握することができるため、サイトに流入しているキーワードから、新たなロングテールキーワードを発見したり、既存キーワードの強化に活用できます。

Googleトレンド

Googleトレンド

Googleで検索されているキーワードのトレンドや検索傾向、ユーザーがどのトピックに関心を持っているのか、急上昇ワード、地域別の関心度や関連するトピックの動向を確認できます。検索キーワードの検索数の動向を調査できるため、需要のあるキーワードなのかを確認するのに役立ちます。

ラッコキーワード

ラッコキーワード

ラッコキーワードは、無料で使用できるキーワードリサーチツールです。使い方は非常に簡単で、検索窓にメインキーワードを入力するだけで、多数の関連キーワードが表示されます。検索ボリュームも確認できるため、ロングテールキーワードを効率よく見つけることができます。また、共起語や関連キーワード、競合で獲得できているキーワードの分析も可能です。

Ahrefs(エイチレフス)

Ahrefs

Ahrefs(エイチレフス)は、SEO専門家やマーケターに広く利用されている強力なSEO分析ツールです。競合サイトに流入しているキーワードの分析、キーワード調査、バックリンク分析、検索ボリューム、キーワードの難易度調査などSEO対策に必要な項目を分析する機能が一通り網羅されています。有料ツールとなりますが、ロングテールキーワードの切り口を探すためにも役立つでしょう。

ロングテールキーワードを見つけて、記事を作成してみよう!

効果的なロングテールキーワードを見つけるために、初めは時間がかかるかもしれません。ですが、選び方や調査手順を理解すれば、効率的に進めることができるようになります。

マイナビが提供する「ツクレルSEO」は、検索上位表示記事24,000本以上のSEOノウハウを集約したAIライティングツールです。キーワード設定後、AIがターゲットユーザーやニーズを深堀り、共起語の調査などを行い、SEOを意識した最適なタイトルや見出し、本文を生成します。

キーワード選定には時間をかけ、コンテンツ制作はAIに任せてみるのも1つの選択肢です。検索ニーズを満たしたキーワードやコンテンツはそれぞれの検索結果で上位表示を狙うことができます。

ぜひ、ツクレルSEOを活用して、キーワードの見直しやコンテンツ作成を行ってみませんか?

(ツクレルSEO編集部)

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